お盆帰省で親の異変に気づいたら?介護離職を防ぐ制度活用術

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お盆で久しぶりに実家に帰省し、「あれ、以前よりお父さん(お母さん)が痩せた」「物忘れが増えた」「家の中が片付いていない」——そんな変化に気づいて、胸がざわついた方も多いのではないでしょうか。

「このままでは危ない。仕事を辞めて介護に専念すべきかもしれない」——毎年お盆や年末年始の帰省シーズンには、こうした思いから介護離職を考え始める方が増える傾向にあります。しかし、離職は一度決断すると取り消しが難しく、経済的にもキャリア的にも大きな影響を及ぼします。今回は、帰省先で親の変化に気づいたときに、まず何を確認し、どんな制度を使えば「仕事を続けながら介護もできる」状態を作れるのかを具体的にお伝えします。

なぜお盆明けに「介護離職」を考える人が増えるのか

ふだん離れて暮らしていると、親の変化は電話だけでは気づきにくいものです。久しぶりに顔を合わせることで一気に「老い」や「衰え」を実感し、強い焦りから「今すぐ何とかしなければ」という気持ちに駆られてしまいます。この焦りが、冷静な準備をしないまま離職という選択につながりやすいのです。

しかし、実際には介護離職をした方の多くが「収入が減った」「再就職が難しかった」「精神的・体力的な負担がかえって増した」と感じているというデータもあります。まずは離職を急がず、使える制度と支援先を確認することが大切です。

離職の前に立ち止まって確認したい3つのこと

1. 地域包括支援センターに相談する

親が住む地域の「地域包括支援センター」は、介護に関する無料の相談窓口です。要介護認定の申請方法から、利用できる介護サービス、生活上の困りごとまで幅広く相談できます。帰省中に一度、親と一緒に、あるいは電話だけでも相談しておくと、今後の見通しが立てやすくなります。

2. 介護保険サービスの利用を開始する

まだ要介護認定を受けていない場合は、早めに申請しましょう。認定を受ければ、訪問介護やデイサービス、福祉用具のレンタルなど、家族の負担を減らすサービスを利用できます。「まだ大丈夫」と先延ばしにせず、早い段階でケアマネジャーとつながっておくことが、将来の負担軽減につながります。

3. 職場に早めに相談する

介護のことは「言い出しにくい」と感じる方も多いですが、突然の休職や離職よりも、早めに上司や人事に状況を共有しておくほうが、働き方の調整がしやすくなります。多くの企業には介護に関する社内制度がありますので、まずは人事担当者に確認してみましょう。

働きながら介護を続けるために使える公的支援制度

介護休業・介護休業給付金

介護休業は、対象家族一人につき通算93日まで、3回を上限に分割して取得できる制度です。取得中は、雇用保険から賃金の67%相当が「介護休業給付金」として支給されます。まとまった期間、施設探しや在宅介護の体制づくりに専念したいときに活用しましょう。

介護休暇

年5日(対象家族が2人以上なら年10日)、半日単位・時間単位で取得できる休暇です。通院の付き添いや、ケアマネジャーとの面談など、短時間の対応が必要なときに便利です。

短時間勤務・在宅勤務・フレックスタイム制度

企業によっては、介護のための短時間勤務制度や在宅勤務、フレックスタイム制度を設けています。フルタイムを維持しながら、朝夕の見守りや通院対応の時間を確保できる場合もあるので、就業規則を確認してみてください。

制度と合わせて活用したい介護用品・サービス

公的制度だけでなく、日々の負担を軽くする介護用品やサービスを組み合わせることも大切です。例えば、離れて暮らす親の安否を確認できる見守りカメラやセンサー型の見守りサービスは、遠距離介護をしながら仕事を続ける方の強い味方になります。また、食事の宅配サービスや家事代行サービスを利用すれば、帰省できない期間も親の生活を支えることができます。転倒防止のための手すりや、立ち上がりを補助する福祉用具のレンタルも、介護保険を使えば少ない自己負担で導入可能です。こうした「人の手」と「モノ・サービスの力」を組み合わせることで、離職せずに介護を続けられる可能性が大きく広がります。

夏だからこそ気をつけたいポイント

お盆の時期は猛暑と重なるため、高齢の親が熱中症になりやすい季節でもあります。エアコンの使用状況や水分摂取量を確認し、必要であれば見守りサービスや訪問介護を活用して、日中のこまめな声かけ体制を整えておきましょう。夏場の体調管理は、今後の介護生活を左右する重要なポイントです。

まとめ

帰省先で親の変化に気づいたときこそ、感情的に離職を決断する前に、地域包括支援センターへの相談、介護保険サービスの利用開始、職場への早めの相談という3つのステップを踏むことが大切です。そのうえで、介護休業給付金や介護休暇、短時間勤務制度といった公的支援と、見守りサービスや福祉用具などの介護用品をうまく組み合わせれば、仕事を続けながら介護を担う体制を無理なく作ることができます。焦らず一歩ずつ、使える制度と支援先を確認するところから始めてみましょう。

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